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3 痛みへの反応

私たちが人生で経験する痛みにどのように反応するかについて話しましょう。人生における問題は誰もが抱えています。私たちには、それぞれ感情的な反応を引き起こした状況、人々、出来事によって傷を負った経験があります。痛みへの反応は人によって異なります。ここでは、異なる反応を見ていきます。

人はどのようにして傷つくか

恨み、反逆、プライド、道徳的墜落、偽善などの魂の問題を持った他人から傷つけられる人がいます。また、感情的虐待、言葉による虐待、性的虐待、身体的虐待など、虐待によって傷つけられた人もいます。他人によってもたらされた心の痛みによって傷つけられた人もいます。

人が他の人によって見捨てられたり、無視されたり、拒絶されたり、プライドを傷つけられたり、心の活力を奪われたりした場合、どのように傷つけられたのか、その傷にどのようにその人が反応するかを特定する必要があります。

さらに、人は他人からかけられたプレッシャーのパターンにも反応します。

完全主義の親を持つ衝動的な子は、その親のプレッシャーによって傷つけられます。威圧的な妻と従順な夫の場合、妻の威圧的態度は夫を失望させ、夫は 12 個のうちのいずれかの反応を示します。従順で無口な人が表現力豊かな人と結婚すると、従順な人はその表現力によって押し倒され、支配されているように感じます。思いを伝えることのできない無口な人は、愛を感じることを望んでいる人を傷つけます。意思疎通せず、人とつながりを持たない人は、その配偶者を傷つけます。自分にしか関心がなく、他の誰にも関心を向けることのできない人は、他の人と感情的につながってその人を実際に愛することができないため、その人を傷つけます。怒りを抱いた人または批判的な人は、同情的な人を傷つけます。その痛みがその人の心に触れるからです。

また、人生で何かを得られなかったことによって傷つくこともあります。愛されなかった子供は、無視されることに対して特定の感情的反応を示します。親が子供から感情的に離れていると、その子供は感情的な不足を感じます。人間は実際に愛に答えるように、神の似姿に創造されいるからです。

苦痛な経験に対する反応

カウンセラーとして、私たちは人が魂の問題、虐待の問題、感情の問題、およびプレッシャー パターンにどのように反応するかに注意を向けます。

人は人生における苦痛な経験にどのように反応するのでしょうか。どのように傷つけられ、その痛みにどのように反応するのでしょうか。性格は人それぞれです。各自、強みと弱みを受け継いだり、形成したりしてきました。同じ家族で異なる性格を持つ 4 人の子供に同じプレッシャーを与えた場合、それらの子供はそれぞれ異なる反応を示します。完全主義の母親は 4 人の子供をホームスクーリングしているとします。1 人の子供はそのプレッシャーによって鍛錬およびチャレンジされ、成功を収め、傷を負いません。父親の衝動性と柔軟性を受け継いだ別の子供は、集中して学習できず、そのプレッシャーにより、実際に人との関係を絶ちます。苛立ち、記憶力を失い、学校の勉強に集中できなくなります。また、もう 1 人の子供は、心を閉ざす代わりに、その親に怒りを持って反応することにより、心がロックした状態になります。

苦痛な状況に対する人々のさまざまな反応を特定したいと思います。反応は人それぞれ異なりますす。

私たちが痛みから自分を守るためのさまざまな反応

まず、人は感情的に離れることによって痛みに対応します。痛みを感じると、痛みを止めるために感情のスイッチを切ることによって、感情的に離れる人がいます。通常、感情的に離れた人は、泣くことも、憂鬱になることも、心配することもありません。ただ感情的に離れ、痛みを感じません。このような問題を持つ人はプレッシャーに遭遇しても泣きません。何も感じない、つまり感情がないのです。これには 1 つ問題があります。人とつながって人を愛することができません。この種の人は、外見的にはよくても、内面的には半分が欠如しています。実際に人を愛するために人とつながる感情部分が欠如しているのです。夫婦関係または他の人との関係において感情的なつながりを感じないため、人とつながってその人から思いやられることの喜びを経験することがないのです。

1. 知的にロックされた心を持つようになる 4 つの経路

感情的に離れた心、または私が言う知的にロックされた心を持つようになるには 4 通りの経路があります。

両親が感情的に離れている子供は、つながりを求めます。親がつながりを持つことがないと、その子は諦め、感情的に離れていきます。

2 番目に、ひどい痛みを経験すると、その人はスイッチを切り、たいていの場合、「私はもう絶対に父の批判的で怒りに満ちた、支配的な感情によって支配されない」などと宣言します。その人は、その後何も感じなくなるため、父親はその人に感情的に影響することはできなくなります。

3 番目は、訓練によって感情的に離れることです。多くの医者は、感情的に離れるように訓練されます。軍隊の場合、ブート キャンプは、兵士が軍事行為に参加して、恐ろしいことを目の当たりにしても、それに対して感情的に反応しないようになるようにデザインされています。ただ職務を果たしているだけなのです。兵士は泣くこともなく、感情的に反応することもありません。感情のスイッチを切り、痛みから自分を切り離します。

人が感情的に離れる 4 つ目の理由は、専門分野にしか焦点を合わせることができないためです。仕事と何かを設計することのみが関心の焦点であるエンジニアを親に持つ子供は、それを習い、人生における充足感は、行動、実行、達成のみによってもたらされると考えます。実行、行動、達成に常に注意を集中させている人は、対人関係においての人とのかかわり方やつながり方を知らず、感情的に切り離します。感情的に離れた人の問題は、感じることができないこと、そして愛することができないことです。人生で最も楽しい部分、すなわち、感情的につながった関係が欠けているのです。子供、配偶者だけではなく、誰ともつながることができません。そのような人は行動するだけで、人間関係において経験することのできる神からの充足感と喜びがないのだと思います。

2. 関係を絶つ、または記憶を失う

痛みに対するもう 1 つの反応は、関係を絶つこと、または記憶を失うことです。この 6 か月間に、私のオフィスに来られた 3 人の男性に次のような質問をしました。「奥さんの支配的な態度、期待、怒りなどのプレッシャーのために、結婚生活で彼女と一緒にいる時間のどれくらいの記憶を失いましたか。そのときの出来事から関係を絶ち、それを忘れることがどの程度頻繁にありましたか。」これらの男性は 3 人とも、家でその妻と一緒にいるときに、その妻が自分に対して苛立っていて、期待や怒りによってプレッシャーをかけたり、拒絶したりした場合、90% の場合関係を絶ったと答えています。

プレッシャー パターンは、人によって異なります。配偶者がプレッシャーをかけている場合、その夫または妻が感情的に関係を絶つ原因となるのはプレッシャー パターンであるため、このシリーズを進めていきながら、それらのパターンについて取り上げます。 ADHD(Attention Deficit Hyperactive Disorder/注意欠陥・多動性障害)の子供の大半は、完全主義者を親に持ちながら、自分は完全主義者ではない子供たちです。威圧的な親を持っているが本人は威圧的ではなく従順です。怒りに満ちた親を持っていても、子供は怒りを抱いていません。ひたすら耐え、すべての痛みを心の中に埋めています。また、子供が何かを正しく行わないとその子供を拒否する親もいます。これら 4 つのプレッシャーを 2 ~ 4 才の子供にかけると、その子は苦闘しはじめます。神様は、感情的な痛みを受けると感情的に離れ、記憶を失うように子供をデザインされました。

カウンセリングで子供の頃について何か覚えているかと尋ねると「覚えていない」と答える人が多いことには驚きます。実際、「子供の頃については、私が大人になってから姉が教えてくれたことしか覚えていない」と言っていた男性もいました。

過去に起こった重要なことのいくつかを覚えていないのは、その人がそのことから感情的に離れ、記憶をブロックしたためであることがよくあります。これは、親から受けるプレッシャーや傷のために、幼年時代の感情的な苦闘から子供を守るための神のデザインです。感情的に離れなければ感情的に多くの痛みと反応があり、その他の多くの面で苦闘することになるからです。感情的に分離する反応は、神から与えられたものです。

問題は、結婚生活に感情的な分離を持ち込んだ場合です。妻が、夫から愛を示されていないため、夫の注意を引こうとしてプレッシャーを与えると、夫は感情的に離れます。この妻は、夫はどこかおかしいと思い、絶えず苛立ちを感じます。夫の注意を引こうとすることにより、現実には、彼女は夫の子供の頃の痛みに触れているのです。夫は、親から感情的に離れたのと同じようにその妻から離れているのです。

結婚生活での大人としての反応の 90% は、子供の頃の反応につながっています。子供の頃に感情的に離れた人は、結婚生活でも同じ痛みにプレッシャーを与えられると感情的に離れます。感情的な一連の問題、プレッシャー パターン、虐待問題を検討していくと、配偶者が傷みに触れた場合の 90% は、子供のときに経験した痛みから来ています。このことを認識すると、この人は 4 才のときに威圧的な母親または怒りを持った威圧的な父親によって傷を受けているため、配偶者が注意を引こうとして威圧的になると、感情的に離れ、まるで配偶者がその部屋にいないかのように振舞うことがわかります。私は、カウンセリングをしてきた経験から、人が感情的に離れるとその顔からそれがわかります。その人とつながっている間はその人は感情的にそこにいますが、痛みに触れると同時に、その顔は無表情になり、反応しなくなります。その人の心はそこからなくなるのです。

私は、自分の結婚式を覚えていなかった女性を忘れることができません。牧師であり、式を取り仕切った継父は、彼女の手をとって祭壇へと歩きながら彼女の目を見ました。この継父と目が合ったとき、彼女の感情は離れてしまい、彼女は結婚式を経験することができませんでした。それは、継父が 9 年間にわたり彼女に性的虐待を与えてきたためです。彼女は、式のために服を着替えた部屋に座っていたことは覚えていますが、実際の式については何も覚えていないのです。継父が彼女の目を見たときに、彼から受けた性的虐待の記憶がよみがえり、彼女は感情的に離れ、感情のスイッチを切りました。その結果、彼女は結婚式を覚えていませんでした。感情的に離れることとはそういうことです。

皆さんに訴えます。感情的に離れる人は、意図的にそれを行っているわけではありません。昔経験したことのためにもたらされたプレッシャーや痛みに耐えることができないために、離れるのです。

3. 痛みにおける自己集中

他人から受けた痛みから自分を守るための 3 つ目の反応は、自分の痛みに焦点を当てることです。テイラー・ジョンソン気質分析テスト(TJTA)で拒絶感のスコアの高い人が落ち込んだ場合、自分の痛みに焦点を当て、それについてばかり話します。「誰も私をわかってくれない。誰も私に話しかけてくれない。誰も私が生きていることを望んでいない。誰もが私を憎んでいる。なぜ人から好かれないのかわからない。」心の中に否定的な考えが 30 ~ 40 個あり、自分に焦点を当てます。自分に焦点を当てると、その回りの人たちの活力を奪ってしまいます。自分のみに焦点を当てているため、配偶者の活力も奪います。人とつながったり、思いやることができません。

落ち込んだ気分になったり拒絶感を持ったりすることにより、自分を保護する人もよくいます。そのような気分のときは、その人 1 人だけの世界になり、何が起こっているのかは誰にもわかりません。感情的な愛情を与えようとすると、その人は自分の痛みばかりに焦点をあてているため、誰からも愛されること、与えられることを望みますが、内面の痛みが大きすぎるために、愛情を返すことができません。そのような人は、愛情に対するニーズを満たすために必死になっていて、誰にも何も与えることができないため、その配偶者や子供にから感情的な活力を奪います他人にも愛情のニーズがあるということを理解できません。拒絶による痛みを経験したために、自分の痛みしか見えません。実は、これは 15 才~ 35 才までの 20 年間の私のことです。35 才のときに、メッセージを準備していて、偶然自分が落ち込んでいる原因を認識したのです。私は 13 才のときに父親がもたらした心の痛みというコストを私が払うことを選択し、父親をゆるしました。これにより、私はうつ状態から解放され、落ち込んでいる他の人たちをカウンセリングするきっかけとなりました。

4. 他人を支配または威圧する

他人から受けた痛みから私たちが自分を守る 4 つ目の反応は、相手を支配または威圧することによります。感情的に深い傷を負った人は、その人を傷つけた人よりも強くなりたいと望みます。怒りを持った父親と、その怒りの可能性を受け継いだ息子がいる場合、その父親は怒り、息子を支配します。息子は「もう指図されない、傷つけられない」と言って反逆し、父親よりも強くなります。唯一の問題は、気質分析テスト(TJTA)のスコアが 99% 支配的、99% 敵対的または怒りを示していることです。この息子は、周囲の人すべてをいつも支配しなければならないため、人間関係を感情的に受け入れることがありません。従順な女性と結婚した場合、彼は彼女を支配しなければなりません。常に怒りを抱き、夫婦の関係をロックしてしまうため、それを築くことができません。

私は、私のオフィスに来られた若い女性のことを忘れられません。彼女の父親は虐待的な人でした。怒りに満ち、威圧的な完全主義者で、すべてが完璧に行われなければなりませんでした。彼は、完璧にできない人はすべて拒絶しました。すべてにおいて彼自身が中心でした。これはプライドです。彼には偽善がありました。何の問題もないふりをしていたのです。娘が彼の言ったことをそのとおりに行わないと、彼は自殺思考に陥り、娘を混乱させるような発言をするのです。この父親は、「私の言うことを聞かないと、私は自殺する」などと言います。父親は、その娘を感情的に完全に混乱させました。その結果、彼女は威圧的で怒りに満ちた女性になりました。彼女が結婚前のカウンセリングのために私のオフィスを訪ねたとき、彼女は彼女自身を守るために父親よりも強くならなければならなかったのだということが、私にはわかってきました。

性的虐待を受けた少女の場合も同様です。性的虐待を受けた少女たちの 90% が、90+% 支配的、90+% 敵対的または怒りを持ち、95% が離婚します。強姦された 14 才の少女は、それ以前は従順な少女だったかもしれませんが、怒りに満ちた彼女は、強姦が原因で突然ロックアップするようになり、支配的になります。彼女を傷つけた人間よりも威圧的にならなければならないのです。結婚した場合は、夫を支配しなければならず、夫はよくその威圧と敵対性に反応し、その結果、夫婦関係がロックされます。

私は、生来威圧的な人と傷ついた人をいつでも見分けることができます。生来威圧的な人は、何でも支配したいのが自然であるため、私の話の途中頻繁に口を挟みます。心が傷ついたことが原因で威圧的になった人は、相手がその痛みに触れるまでは従順に振舞います。その人は痛みに触れられたことに反応して、威圧的になり、支配しようとします。これが、生来威圧的な人(必ずしも問題ではない)と、誰かの威圧によって心が傷つけられた人を見分ける方法です。私のオフィスを訪ねる威圧的な人のうち 80% は、痛みがその原因となっています。

5. 怒りを持った反応

痛みに対する 5 つ目の反応は、怒りによるものです。怒りが痛み問題の中核となることはありません。怒りは、怒りに対する感情的な反応です。ですから、私はいつもその原因を探します。原因を解決すると、怒りはなくなります。それは痛みに対する感情的な反応であるため、その人の心の中の怒りを解決するには、その原因を特定する必要があります。

6. 批判的または非難的

人が自分を守るために痛みに反応する 6 つ目の方法は、批判的/非難的になることです。最近私のオフィスに来られたカップルの夫人の方の両親は、喧嘩が絶えず、いつもお互いをこきおろしていました。彼女は、両親の間に入って仲裁役を務めようとしました。一方、彼女の夫の両親は、お互いに対する期待と拒否によって相手をこきおろしていました。37 年にわたり、この夫婦は両親と同じ方法で相手をこきおろしていました。夫人は夫に期待をかけ、夫の方は落ち込みのために心を閉ざし、怒って彼女を攻撃し、毎日お互いにロックしました。この夫婦は、子供の頃に経験した痛みから反応していたのです。彼は心を閉ざし、彼女は批判的および非難的になることによってすべてを解決しようとしました。その結果、この夫婦関係ではお互いにつながり合うことができませんでした。何が起こったのかを理解し、子供の頃の心の中の痛みを解消したら、彼らはお互いに思いやり、感情的につながることができるようになります。

互いをこきおろした両親のいる家庭は多数あります。彼らは口頭のこきおろし、こばかにした発言や非難的な発言によってその子供たちをいじけさせます。その結果 90% を上回る敵対レベルになります。その子供が結婚すると、同じように攻撃をはじめます。それ以外のすべを知らないからです。誰かが自分を思いやってくれて、自分のことを理解して心のニーズに対応したいと思ってくれるというような人間関係をまったく知りませんでした。私は彼らによく次のようなことを言います。「あなたはこれまでの人生で一度も愛を経験したことがないということを理解できますか。あなたは戦い方は知っていても、つながる方法は知りません。私はあなたが人とつながって、充実感を経験できる人間関係を楽しむことができるように支援したいのです」と。

7. 話さなくなる

人が痛みから自分を守る 7 つ目の方法は、話すことを止めることです。何も言わなければ、誰から痛めつけられることもありません。誰もあなたを傷つけることはできません。単に話すことを止めた夫と、その注意を引こうとする妻。愛情を求めて彼にプレッシャーをかけたり、何かをさせようとしても彼はどうしても話しません。心を閉ざし、話すことを止めた子供がいます。それは家庭で受けた痛みが原因となっています。

最近、アーミッシュのカップルが私のオフィスを訪ねてきました。結婚して 20 年だそうです。夫人には、彼女が 3 才になるまでに彼女の鋭気をくじかせてしまった批判的な父親がいました。彼女の母親は理解と思いやりがありましたが、非常に支配的でした。彼女は公立の学校に入れられ、彼女の着ていたもの(アーミッシュのドレスと頭巾)のためにからかわれました。彼女はこきおろされ、拒否され、批判されたために幼稚園のときに話さなくなりました。痛みとプレッシャーから自分を切り離したため、あまり何も学びませんでした。彼女は学ぶことができなかったことについてあまり覚えておらず、学校についても覚えていません、彼女は自分を表現できず、テストでは表現力は 2% でした。「この課題をやってくれますか」などという期待をかけると、彼女は感情的に離れてしまい、その痛みをブロックし、話さなくなり、カウンセリングでも彼女から話を引き出すことはできませんでした。誰かが批判的な場合(彼女の夫は彼女に批判的でした)、彼女は話さなくなります。誰かに見下げられると、彼女は話すのを止めました。これら 3 つの痛みは、アーミッシュではないほかの子供たちが彼女をあざ笑い、嘲りはじめた小学校 1 年目に関連しています。結果、感情的にすべてがシャットダウンし、彼女は感情的に離れました。これらは彼女の人生の 2 つのパターンです。このことを彼女の夫に説明したとき、私は次のように言いました。「自分の気持ちを表現できない 5 才の少女を思いやるように彼女に愛情を示してはどうですか。その少女が気持ちを表現するために来ることのできる安全な場所、彼女が尊重され、大事にされ、思いやられる場所を作ったらどうでしょうか」と。すると、夫人は突然微笑みはじめました。5 才のときからはじめてのことです。彼が彼女の心のニーズを思いやりはじめたため、これは美しい出来事でした。

8. 立ち去る

痛みに対する 8 つ目の反応はその場から立ち去ることです。「私の夫は、2 人で話を始めると、外に出て行きます」とよくご夫人方から聞きます。またはご主人方は、「妻は寝室に入り、ドアを閉めて、話しません」と言います。これは痛みへの対処法の 1 つにすぎません。質問をしていくと、「はい、幼い頃、母が批判的になったりプレッシャーをかけてくると、私はいつも家から外へ出ました」と言います。

協議会でワイオミングに行っていたときのことです。ワイオミングの人たちは、少なくともあのときのコミュニティの方たちは馬を持っています。私はある女性を祈りで導いていました。「イエス様、私の心がどこにあるか、イメージを描いてくださいますか」と。イエス様は彼女の心は馬にあることを示されました。彼女の母親が批判したり期待をかけたりした仕事を仕上げると、彼女はいつも馬小屋へ駆け出し、馬のたてがみに頬を擦り付けました。彼女を愛してくれたのは馬だけでした。ある日、その馬が病気になりましたが、彼女は学校へ行かなければなりませんでした。両親に馬を連れ去らないで欲しいと懇願しました。馬が病気なのはわかっているけれども、連れ去らないで欲しいと。彼女が帰宅したときには馬はいませんでした。馬は売られたのか、撃たれたのか知りません。両親が馬をどうしたのかもわかりません。彼女は痛みから逃れて駆け込むことのできた安全な場所が奪われたという痛みを 20 年にわたり持って暮らしてきました。

9. アルコール、薬物、情欲、食べ物

アルコールの飲用、薬物の使用、情欲、食べることで反応する人もいます。痛みがやって来るたびに冷蔵庫へ行き、食べます。それは食べることが唯一感じることのできる良い経験であるためです。ポルノを渇望しポルノ中毒になっている男性の 70 ~ 80% は、子供の頃の心の痛みを隠し持っています。セックス中毒を解消するには、その心の痛みを特定し、祈りによって解決する必要があります。これを行って、妻と感情的につながり、道徳上の問題をすべて告白すると、突然情欲が消えます。拒絶され、嘲られ、批判され、こきおろされた子供がポルノに触れると、その子供は、最初に遭遇したポルノに常に引かれます。性的に興奮しているとき、拒絶の痛みによるうつ状態が消えます。ポルノの問題を抱えた男性の 70 ~ 80% の問題は、感情的な拒絶の痛みを隠そうとしていることです。その心の痛みを見直し、理解して解消しなければなりません。そうすると、情欲が消え、夫婦関係で妻とのつながりを求めるようになります。

アルコールの飲用や薬物の使用によって痛みを隠そうとする人もいます。アルコールの飲用や薬物の使用を開始する人はいませんが、アルコールと薬物を既に使用している人は、それを続けて痛みを隠します。例外は見たことはありません。アルコール中毒の人が私のオフィスに来ると、私はすぐにその痛みを探します。必ずどこかに心の痛みがあります。私がその痛みについて思いやるようになると、彼らはアルコールへの興味を失います。彼らとの関係でつながりを持ち、彼らの痛みの原因を定義して、それが解決すると、彼らをその配偶者につなげることができます。彼らは配偶者とのつながりを切望しており、感情を隠したくないため、アルコールの飲用を止め、配偶者とのつながりを保ちます。

10. 痛みを隠すために働く – 業績主導

人が他者から受けた痛みから自分を守る 10 番目の方法は、業績によって痛みを隠すために努力することです。業績を上げることによって受け入れられるため、業績の追求に邁進します。行動によって他者に気に入られることを望みます。受け入れられるため、愛されるために「行動」します。夜の 11 時、12 時まで働き、床に就くまでにしなければならないことが沢山あるという人が多数いることには驚きます。ベッドに倒れ込み、あまりに疲れているために眠り込みます。これがそのような人の生活です。仕事に邁進している状態から、感情的に人とつながる状態に切り替えることができません。すべてが仕事中心で、すべてが行動中心です。神は私たちが働くことを望んでおられるため、仕事は重要ですが、仕事のスイッチを切って、人間関係において感情的に人とつながる時間が必要です。それがなければ、心の情緒部分は成長しません。情緒的に発達することが重要なのはそのためです。

11. 自分を守るために嘘をつく

人が痛みに対応する 11 番目の方法は、心を守るために嘘をつくことです。嘘をつき始める人には 3 種類あります。完全主義の親と衝動的な子供の場合、従順な子供は親のプレッシャーのために、親の望むことを親に話します。親に気に入られたいため、真実ではなくても、親の望むことを親に話して、受け入れられようとします。

21 才の娘が嘘をついていたために私に電話してきた牧師がいます。その牧師がその娘と一緒に私のオフィスを訪ねてきました。母親の自制力は 98%、娘の自制力は 1% でした。幼い頃、その娘は母親に気に入られたいばかりに、母親がプレッシャーをかけるたびに母親の望むことを話していました。問題は、この娘は大学になっても、親から受け入れられたいために、両親が聞きたいことを両親に話していました。そして両親は、彼女が母親の完全主義のために心に傷を負っていたことを知りませんでした。これが解消されたとき、彼女は両親との関係において正直になることができました。

人が嘘をつく 2 番目の理由は拒絶を恐れることです。子供は、親に気に入られるために親が聞きたがっていることを親に語ります。

3 番目の理由は、威圧的な妻を持つ従順な夫は妻が聞きたがっていることを語ります。それが真実でないことも多々あります。彼が嘘をつくのは、妻を苛立たせたくない、または妻の反応を恐れるためで、彼女が聞きたいことを語ります。このように、通常、人は自分が傷つかないように、自分を守るためにこれら 3 つの理由で嘘をつきます。

12. 反抗

最後に、人は反抗または反逆によって自分を守ります。「誰からも指図されるものか。」人はこのように対応して、そのために関係をブロックすることがあります。

痛みへの反応を特定する

ワークシート「他人から受けた痛みへの反応」には、他人から受けた痛みから自分を守るための私たちの 12 の反応が記載されています。このワークシートは後で記入してください。痛みへのあなたの反応にそれぞれチェックマークを付けてください。

先日、私のオフィスで「これら 12 の反応すべてをそれぞれ異なる時期に経験した」という男性がいました。彼に何かするように指図したところ、彼は私に反抗しました。私がプレッシャーをかけると、彼はその場から自身を切り離しました。私が別のことをすると、彼は感情的に解離しました。一度は椅子から立ち上がり、部屋を出て立ち去りました。彼にはこれらの異なるパターンがあり、夫人は彼の心に入り込むことができないため、苛立ちを感じていました。

前に 6 つのドアのある彼の "家" の図があります。各ドアの中にはコンクリートがあります。夫人は結婚生活 20 年に渡りこれらのドアに頭をぶつけてきましたが、中に入れません。何が問題でしょうか。子供の頃に傷つけられた人は、愛情、およびその人に対する他人の反応をブロックし始めます。あなたがその人とつながろうとしたり、プレッシャーをかけたりするとその人はあなたをブロックし始めます。

妻がプレッシャーをかけだしたら夫はどうするでしょうか。

まず、妻が彼に高い期待をかけたとしたら、彼は反応します。「一緒に聖書を読んでくれないの? 私の心を思いやって一緒に時間を過ごしてくれないの? 子供たちのことなどどうでもいいの? 子供たちと話したくないの? あなただけで決断するのではなくて、家計について話し合えない?」期待によって心に傷を負った夫は、期待をかけられるたびに、プレッシャーに対する反応を示します。妻をブロックし、入れてくれません。ドアの中にコンクリートのブロックがあるようなものです。90% の場合、私たちは最悪の "親" と結婚します。ですから、完全主義の親を持っている人は、完全主義者の相手に反応し、その人と結婚します。そして、結婚生活でも子供の頃の経験に反応したのと同様に反応します。

次に、支配的な配偶者がいて、その配偶者をブロックした場合、どうなるでしょうか。その人は威圧されることに対して反応し、次のように発言するでしょう。「私は威圧されない。私の家族では女性が威圧的だった。だから私は女性になど指示されるものか。」 私は、このような発言をどれだけ聞いたことでしょう。

3 つ目の反応の例では、妻が苛立ち、腹を立てます。期待も威圧も効果がなかったため、彼女は夫にずけずけと文句を言います。その時点でよく起こることは、夫が腹を立て始め、妻も腹を立て始め、夫婦関係がロックすることです。夫はセメントのドアを閉め、妻を入れません。誰かが腹を立てると、私たちはそれに反応して心のドアを閉めます。

しかし、妻は別の方法を試みます。「神様はあなたが私のことを思いやることを望んでおられると思いませんか?」 彼女は愛情を示さずに、霊的(精神的)なプレッシャーをかけます。それにより、夫はブロックします。彼は祈ることができず、聖書を読んでも心が通じません。また、教会に行ってもそこで唱えられる真実に反応することができません。愛情なしで、霊的真実によって相手にプレッシャーをかけると、相手はロックします。

閉じている 5 つ目のドアは、妻が諦めてしまい、夫から感情的に離れる場合です。夫は彼女から拒絶されたと感じます。夫/妻とつながろうとあらゆる努力をした配偶者は、ある時点で諦め、感情的に離れていくため、相手に拒絶感を与えます。愛情には答えることができなくても、プレッシャーには耐えられません。配偶者が感情的に離れていくと、苛立ちを感じます。

この時点で、皆さんは「妻はどうするのか」と言います。これを説明すると、夫人は「私はどうするべきでしたか」と答えます。私は「あなたの夫はロックされた 6 つの心を持っていて、子供の頃に傷ついた彼の心にあなたは立ち入ることができません」と言います。

6 つ目は、妻が夫を操りたいために愛情を示し始め、夫は苛立ちを感じ、その愛情までもブロックします。私のオフィスを訪ねた男性の 3 人がこれら 6 つのドアすべてをロックしていました。その 1 人は牧師の息子でした。その母親は息子を支配するために彼の上に座ったものです。160 ポンド(約 73kg)の母親に上から座られた 30 ポンド(約 14kg)の息子は、座るしかありませんでした。母親は彼が反抗しないように口にタオルを当てました。そのため、今では妻が彼の口に触れると、彼は激怒するようになりました。妻が彼の背中に手を当てて押しても彼は激怒します。それは彼が従うまで床に押し付けていた母親がしたことと同じなのです。母親はいつも子供に対して感情的な愛情を示した直後、彼の心を操作して自分が必要なものを得ていました。

彼のカウンセリングで私は「心のケア」手法に従いました。彼の心を思いやることから始めました。彼は私を見つめて「何が欲しいのか」と尋ねました。私が愛情を示していたため、きっと何かを求めてくると思い、彼は感情的にロックしてしまいました。問題は何だったのでしょうか。彼の母親が 6 つのドアすべてを破損していたのです。彼の夫人は彼の心に入ることができず、私は可哀相だと思いました。心に入る方法はただひとつ、後ろの窓から入ることでした。図の上の方、つまり部屋の後方の 3 つの窓に気付きましたか? 夫人にどのように彼の心に入るかを示さなければなりませんでした。彼の心につながり、その反応を見るのです。「私が、あなたの心を操ることなどは望まずに、ただあなたの心を思いやったとしたらどうですか? あなたに拒絶感を経験させたくない。ただあなたの心をケアしたい。あなたがなぜ痛みに反応するのかを理解したいのです。そしてあなたに痛みを与えたくない。あなたを支配したくない。期待を押し付けたくない。あなたに対して腹を立てたくない。これまでの人生で女性から一度も愛を感じたことがなく、愛をブロックしてしまった少年に、はじめて愛を経験して欲しいだけなのです。」

これが彼の心に入る方法です。妻がこんなふうに話し始めると、夫はどうすればいいかを決めなければなりません。まもなくその夫は、コロラド・スプリングスのレンタル会社からジャックハンマーを借りてきて、6 つすべてのドアを削岩して開き、「期待があるなら来てください。何か必要なら、来てください。孤独なら、来てください。これらのロックをすべて取り除き、あなたとつながりたい。」と妻に告げます。

この図を含めた理由は、これを紙に描いたら、男性の方が「私はこれらのうち 5 つのドアを持っていたが、この図に含まれない 6 つ目のドアがあります」と言うので、私の図に彼の言う 6 つ目のドアを書き加えました。そして夫人に「この図を参考にしてご主人とつながってください。彼が経験した心の痛みを思いやってください」と言いました。

痛みには 4 つの感情的反応がある

心配したり緊張したりする人がいます。プレッシャーが来るたびに心の中で震え、リラックスできない人がどれほど多いかには驚きます。すばらしいことに、聖書は根拠なく心配することについて語っているのと同時に、神の平安を心に受け入れることについて語っています。痛みに対してこれら 12 通りの反応を示す人たちは、心の中で不安を感じているため、私たちはそのような不安を抱えた人たちをイエス様へと導かなければなりません。彼らは、痛みがひどすぎてリラックスすることができません。彼らを祈りによって導き、その重荷を主のところに持って行き、主にそれを委ね、心の中の不安から解放されて平安を体験できる安全な場所を作るのはすばらしいことです。

2 つ目の反応は恐れ、パララノイヤです。「恐れの特定」のチャートで、あなたの恐れについて定義し、他の人に一緒に祈ってもらい、主イエス・キリストにあなたの恐れを委ねます。「あなたがたは心を騒がせるな、またおじけるな。」「わたしは平安をあなたがたに残して行く。」「主はわが力、わたしはだれを恐れよう。」あなたの恐れをイエス様に委ね、心の中の痛みに平安をもたらしていただきましょう。聖書で神は 13 箇所で、13 人それぞれ異なる人物に「恐れてはならない。わたしはあなたと共にいる。」とおっしゃっておられます。これらの真実は、愛情をもって、そして人が生活の中で体験する心の痛みと恐れに対する理解をもって伝える必要があります。

痛みへの 3 つ目の反応は、罪悪感、自分に対する責め、および自己嫌悪です。罪悪感は実際の罪による場合があります。人は、中絶したため、道徳的に不純であるため、あるいは子供を傷つけたためなどの理由で罪の意識を感じる場合があります。また、罪悪感は想像による場合もあります。個人の罪の唯一の解決は、罪を告白し、それを認めることですが、想像による罪悪感の場合は、本人を祈りによって導き、その痛みに対する解決を得る必要があります。このセッションの後でこのチャートに記入して、あなたが感じた罪の意識を定義してください。それは本当の罪ですか、それとも痛みからもたらされた罪悪感ですか。それから解放される必要があるものですか。

痛みに対する 4 つ目の反応は、落胆、失望、絶望、落ち込みです。聖書には、神の御霊に私たちの心、思いを吟味していただき、すべての思いをとりこにして心を新たにしていただくことを強調する箇所が沢山あります。最も簡単な方法は、すべての思いを 1 つずつイエス様に委ねることです。

痛みへの反応方法を特定する

次の 5 つのステップに従って、過去の痛みを解決し、癒すことをお勧めします。

  1. 経験した感情的な痛みによって傷つけられたあなたの心を描写する言葉を求めます。
  2. その痛みが来たときにあなたがどこに心を隠したのか尋ねます。
  3. あまりにもひどく傷つけられたため、「もう誰にも私に対してあんなことはさせない」と言ったことがありますか。
  4. 二度と傷つけられないように、心を取り除いたことがありますか。
  5. 自分を守るためにどのような壁を築きましたか。ある女性はこんなことを言っておられました。「厚さ 12 インチの金属製の壁があるので、主人は私の心に触れることはできません。」またある男性は、次のように言われました。「私は煉瓦の壁を築いたので、妻は私の心にアクセスできない。彼女は私を二度と傷つけることはできない。」

ワークブック「痛みへの反応を特定する」のセクションをご覧ください。

  1. 最初のチャート「他人から受けた痛みへの反応」の最初の欄で、人生におけるさまざまな痛みに対するあなたの反応に該当するものにチェックマークを入れてください。
  2. 2 つ目の欄では、あなたを傷つけた人を定義します。
  3. 右側の欄には、そのように反応した原因を書きます。彼らが何をしたためにあなたは傷つきましたか。
  4. 次のチャート「痛みから心をブロックする」では、次のことを自問してください。「私の配偶者またはその他の人が入れないように、ドアにコンクリートの壁またはブロックを置いたことがあるかどうか。」これら 6 つの方法のどれを使ったことがありますか。使ったことのあるものにチェックマークを付けてください。ブロックする原因となったのは何ですか。
  5. 「恐れの特定」のページで、体験から抱くようになった恐れを特定してください。
  6. 「偽の罪悪感の識別」のページでは、経験した罪悪感の分野(それが現実のものであるか想像したものであるかにかかわらず)を特定します。
  7. 「否定的な考え」のページでは、不安、恐れ、罪悪感、または落ち込みという、痛みの 4 つの問題のうち、あなたが経験したものを定義します。
  8. 最後に、経験したことのある否定的考えにチェックマークを付けます。このチャートに含まれていないものは、追加してください。そして神に祈り始めます。「神様、このような思いを私が持っていることをあなたは望んでおられますか。どのような思いによってそれを置き換えることを望まれますか。その思いはどこから来ているのでしょうか。どの痛みがこのような思いを創出したのでしょうか。どうすればこの思いから解放されることができるでしょうか。」

教会のグループでこのシリーズを一緒にやっている場合は、章の末尾にあるディスカッション クエスチョンを使ってこれらについて話し合ってください。私たちは痛みに対してどのように反応しましたか。別の人を見つけて、祈りによってその人を導き、その人が傷ついたときの問題を実際に解決するよう努めてください。

Copyright John Regier 2013 ー Japanese posting 2015 Phil Hamm Translation: Takako Mori Taylor
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